外部単位とは
高専生が、在学中に、所属高専の定めている資格試験等に合格した際に、各高専における単位として認定される制度を、外部単位制度といいます。
学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく文部科学省令である、高等専門学校設置基準(昭和三十六年文部省令第二十三号)の第20条に基づき、各高専の裁量で外部単位は付与されます。
高等専門学校設置基準(昭和三十六年文部省令第二十三号)の第20条により、外部単位制度を含む授業科目の履修とみなされる制度によって認定される単位と合計して60単位が上限です。
なお、一部の高専では、学則により認定される単位数の上限が別に定められている場合があります。
(豊田高専の12単位や国際高専の6単位など)
(高等専門学校以外の教育施設等における学修等)
高等専門学校設置基準(昭和三十六年文部省令第二十三号)一部補足
第二十条 高等専門学校は、教育上有益と認めるときは、学生が行う大学における学修その他文部科学大臣が別に定める学修を、当該高等専門学校における授業科目の履修とみなし、高等専門学校の定めるところにより単位の修得を認定することができる。
2 前項により認定することができる単位数は、前条(他の高専における学修)により当該高等専門学校において修得したものとみなす単位数と合わせて六十単位を超えないものとする。
外部単位の特徴
主な特徴として、2つ挙げられます。
1つ目は、高学年における授業に余裕を持てる場合がある点です。
外部単位制度を通じて単位を取得することにより、進級や卒業に必要な単位数にゆとりが生じ、高学年の選択科目を少なめに受講しても良くなり、研究や趣味に時間を費やすことができるようになります。
2つ目は、単位に認定される資格は、産業上有益あることが多い点です。
外部単位として認定がされる資格は、企業で取得するよう求められやすい資格が多く、取得しておいて損は無いですし、面接などにおいて話題の1つとなりやすいといった利点もあります。
外部単位の種類
公式の分類ではありませんが、大きく分けて2種類の外部単位制度が存在します。
別途認定型
各高専が定めた国家資格等を学生が取得した際に、授業の単位とは関係ない単位を認定するのが、別途認定型です。別途認定型を採用している一部の高専では、外部単位による単位を卒業認定の際に単位として扱わない場合があります。
別途認定型の場合、外部単位を取得している場合、高学年における選択科目の一部を履修しなくても卒業できる状態となります。当然、必修の授業は受講をしなければなりません。
授業単位認定型
各高専が定めた国家資格等を学生が取得した際に、授業の単位を認定するのが、授業単位認定型です。
授業単位認定型を採用している場合、認定された単位に相当する授業への参加、若しくは、定期試験の受験が免除されることとなります。
外部単位の注意点
多くの高専において、外部単位は、高専在学中に取得した資格のみ認定されるため、中学在学中に取得した資格は単位認定の対象外となります。
又、資格を取得したあと、所定の手続きを所定の期間までに行わないと、単位認定が翌年度になってしまう場合があるため、注意してください。
外部単位の問題点
高専の外部単位は、各高専により単位認定対象の資格が大きく異なります。
各高専や各学科により、柔軟な制度設計ができるという利点がある一方、同一の資格を在学中に取得した場合であっても、所属高専・学科によって認定単位数が異なるという問題点が生じえます。
また、資格試験の受験料は各学生が負担することから、経済的な理由で試験を受験できないなどの理由による学生間の格差が生じてしまう可能性があります。